魚辞典
具体的な製法としては、布、特殊フィルム、セロファンなどで魚をラッピングし、それを灰の中に入れて温度管理された部屋で約12時間〜15時間寝かせてじっくり乾燥熟成させます。これによって、魚のたんぱく質が安定し、脂が劣化しにくく、魚の臭みが抑えられ、旨みが凝縮されます。
塩の加減と干し加減は全て素材の種類や特性、身の状態に合わせて厳密に調整され、最高の味を目指します。長時間灰の中でじっくり寝かせることにより、アミノ酸の形成も進み、余分な水分が灰に吸収され、うまみが出てきます。また、加工時は外気に触れないため、肉質が変わらず、灰干しの魚を触ってみると、干物なのに柔らかく、まるで生の魚のようです。
灰干しは「保存食」としての干物ではなく、魚をおいしく食べるための「熟成加工法」と言えるでしょう。そのため、熟成までにも時間がかかり、全て熟練した職人の手による手作業ですから、機械化による大量生産ができません。以前は多くの灰干し加工の業者がおりましたが、近年は減ってしまい、それだけ貴重なものとなっています。
私たち築地山吉では、このように職人が一枚一枚丁寧に加工した鯖の灰干しを誇りを持って扱っております。一度食べたら忘れられない味の築地山吉がお届けする「鯖の灰干し」をどうぞご賞味下さいませ。
※お召し上がりになる際は、太い骨があるので抜いてお召し上がり下さい。
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